~限られた時間の中で、何かを成し遂げるために起こしたアクション~
今回取材をした櫻木さんは7年以上メーカーから商社の経験するなかで、仕事で何かを成し遂げたいという大きな志があった。そんな時に偶然見かけた、ACROVE(旧:株式会社アノマ)の創業メンバーの募集。彼女の人生が大きく動き出した瞬間だった。
~なんのために働くのか?世界の動きから見出した働く意義~
2018年に設立したばかりの株式会社ACROVE。同社の準創業メンバーかつ最初の女性社員でもある櫻木さんは、この2021年春に役員に就任する。
「まだ創業3年目のスタートアップなので、大抜擢ということではありませんが、志があれば想いは叶うということを体現したいです。」
事業を伸ばし、会社を成長させることで社会に貢献したい。そんな熱い想いを持つ櫻木さんの社会人生活は、高校卒業後にスタートしていた。
「昔から活発で負けず嫌いな性格をしていたため、仕事も妥協をせずに取り組んでいました。メーカーと商社に7年以上勤めていたことから、商流や小売の経験はあったものの、その経験や自分自身の仕事に対する姿勢を最大限に活かしきれずに悩むこともありました。」
一方で、20歳の頃からある本をきっかけに投資信託に興味を持ち始め、米国株を中心に株式運用をしていた。その中で、企業の事業内容や財務諸表を見ているうちに働くことに対する考え方が変化していったという。
「財務を学ぶと、今どんな事業が伸びていてどういう事業が人を助け、世界がどう動いているのかが見えてくる。次第に『私は有限である時間で何ができるだろう』と考えるようになっていました。」
今のままでも十分満足しているものの、やはり自分はゼロから何かを創り上げて、自分以外の人に良い影響を与えられる人になりたい。そんな気持ちが強くなってきたのだ。
~限られた時間の中で何を成し遂げられるか?行動のきっかけはTwitter~
仕事で経営者と接する機会が多かったことも影響し、自ら起業するという選択も考えていたという櫻木さん。
「どんな仕事でも行動力でこなしていき、置かれた環境で頑張りたい気持ちもある。どんな環境でも楽しんで取り組める性格ですが、仕事に対する気持ちの面では周囲との温度差を感じていました。時間さえあれば有意義な行動をしたい、何かを成し遂げたいという感覚です。」
そんな櫻木さんに運命的な出会いが訪れる。ACROVE代表の荒井さんがTwitterで発信した「創業メンバー募集」のツイートをたまたま目にしたのだ。興味を掻き立てられた櫻木さんは荒井さんに連絡を取り、当時住んでいた愛知から東京まで会いに来たのだ。
「手がけているEC関連事業やブランドへの興味よりも、荒井という人物への興味の方が大きかったです。」
荒井さんは櫻木さんより一つ年下で、学生の頃に同社を創業。この先何百年も残っていく会社に成長させたいという強い信念を抱いていた。そんな荒井さんと千駄ヶ谷のカフェで初めて話をすることになる。
~志を同じくするビジネスパートナーと出会い、愛知から東京へ通勤~
「荒井自身もこれまでの経験から、事業を成長させることで社会に貢献したいという考えに行き着いていました。会社を大きくしたい・地位を上げたいということではなく、事業を通して世の中に大きなインパクトを残したいと、会話をしていて荒井の視座の高さが分かりました。」
荒井さんにどこか自分と同じ匂いを感じたという櫻木さん。すでに心は決まっていた。
「ここが自分の居場所、この人と仕事をしたら大きいことを成し遂げられるだろうと感じ、初めて会ったその日に覚悟を決めました。当時の私は会社に対して何もバリューを出せてないし、売り上げも立てていない。だから研修でいいので業務をやらせてくださいと、毎週土日に3ヵ月間愛知から東京に通いました。」
同社は創業から順調なスタートを切っていた一方で、組織や業務では課題が多かった。そこで7年以上の商流・小売経験や簿記の資格、株式投資で身につけた財務の知識を活かし、週末に財務関連の処理を一手に引き受けた。
「過去に経歴や行動できない自分自身に悩むことがありましたが、ACROVEの事業で自分自身の経験や知識が最大限に活かされていますね。まさに点と点が繋がった感覚です。志を高く持ち続けたら、可能性は無限大ということが体現できました。」
現在では財務や人事の業務以外に、長年携わってきた流通・小売業務の経験がEC全体の理解につながり、プロダクトの開発にも携わっている。
~社員が働きやすい環境を整え、プロフェッショナル集団を目指す~
現状に満足せず、更なる成長や新規事業の立ち上げを見据えている櫻木さん。目指すのは、会社の規模を大きくするために人材を投下するだけではなく、戦略的な教育システムでプロフェッショナル人材を育て上げる組織だ。
「教育には力を入れています。ACROVEでは「TMBモデル」というものがあります。どのような職種でも、”T”であるtechnic(技術)から学び、その後は”M”であるmind(考え方や会社の理念)を共有します。最後に”B”であるbusiness management(経営)を学んでいきます。この順番で教育システムを実行することで、確実に強い組織と個人を育てることができます。」
仕事に情熱を注ぐ櫻木さんだが、自身のライフステージについてはどう考えているのだろうか。
「私は昔と変わらず妥協や後悔はしたくない、仕事も家庭も両立させたいです。先陣を切って両立している姿を社員に見せることができたらいいなと考えています。この考えは、今まで見本となる人が沢山いたことも影響していると思います。私自身、特に女性に多くの影響を与えられるように頑張っていきたいです。」
“在りたい自分”を目指し続ける櫻木さんは、この先何を成し遂げるのだろうか。いつか日本を牽引する企業の女性幹部として、働く女性に一つの道標を示してくれるかもしれない。
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